
SPREAD競馬編集部●プロフィール:スポーツの未来を読みとく『SPREAD』競馬編集部。毎週、重賞・GIのS・A・B評価の追い切り診断をはじめ、データ・血統・騎手・穴予想のコラムを連載中。今春より2・3歳馬クラシック情報を強化し、POG特集の連載もスタート。
ウマ娘・藤田晋オーナーの真打的存在
ドゥマイシング(牡)
父:ドゥラメンテ母:フォスタークルック(母父:Freud)厩舎:栗東・矢作芳人生産:ノーザンファーム馬主:藤田晋
今世代のPOGでもっともホットな話題は、“ウマ娘”の藤田晋オーナーが“世界”の矢作厩舎に5頭もの高額馬を預託したこと。その中でも真打的な存在が本馬である。母は米国の芝10FのGI・フラワーボウルS勝ち馬。半姉のフォースターデイズは新馬勝ちしており、本馬は第2仔となる。父ドゥラメンテにStorm Cat系の肌という配合だと、小倉大賞典に勝ち大阪杯では3着に走ったアリーヴォがいる。仕上がりは進んでいるようで前進気勢もあり、早い時期にデビューできる様子。藤田晋氏はこの世代から新たなアドバイザーを招いており、これまで以上に持ち馬が走る可能性がある。矢作師も絶賛する素材で、無事にいけば今世代の主役になりうるだろう。
クラシックディスタンスで本領発揮
エリカエスティーム(牝)
父:モーリス母:メチャコルタ(母父:El Corredor)厩舎:美浦・宮田敬介生産:ノーザンファーム馬主:三木正浩
モーリス産駒ながら早期デビューが見込めそうな本馬。母は愛国1000ギニー大賞典の勝ち馬で、ひとつ上の半兄には札幌2歳S3着のダイヤモンドハンズがいる。全姉のロジモーリスは未勝利に終わったが、デビュー時は大器と評判だった馬。本馬は姉以上に馬格はあるが、育成段階から機敏な動きを見せ、3月下旬にはトレセン入厩と仕上がりは早い。6月10日の東京芝1600mでデビュー予定だが、先々はクラシックディスタンスで本領発揮といきそうだ。
池添学厩舎も兄から学んだはず
サフィラ(牝)
父:ハーツクライ母:サロミナ(母父:Lomitas)厩舎:栗東・池添学生産:ノーザンファーム馬主:シルクレーシング
母はドイツオークス馬。全兄のサリオスは朝日杯FSを制し、皐月賞とダービーはいずれも三冠馬コントレイルの2着。半姉のサラキアはエリザベス女王杯と有馬記念で連続2着、半兄のエスコーラは現在4連勝中、半姉のサリエラも3勝ローズS2着でオール連対と、とにかく走る家系だ。また、きょうだいは全般的に使い出しは遅めなのだが、同父のサリオスがそうであったように本馬は仕上がり早。すでにゲート試験に合格し、6月デビューを予定している。きょうだいで唯一勝ち上がれなかったサラミスを管理した池添学厩舎が再びこの血を預かるが、不本意な結果に終わった兄の経験からきっと学んでいるはずだ。
GI2勝のソングラインとほぼほぼ同血
ジークルーネ(牝)
父:キズナ母:ロスヴァイセ(母父:シンボリクリスエス)厩舎:栗東・栗田徹生産:ノーザンファーム馬主:キャロットファーム
青葉賞を制したスキルヴィングの半妹。名門・ソニンク一族の出身で、近親にはダービー馬・ロジユニヴァースや先日ヴィクトリアマイルを勝ったソングラインなど活躍馬があふれている。そのソングラインとは父が同じキズナで、配合的には実に15/16の同血。母母父がアグネスタキオンかアドマイヤベガかの違いのみであり、そこが皐月賞馬からダービー馬に替わった分だけ、ソングラインよりも距離の融通が利くのではないかと推測した。仕上がりはゆっくりのようだが、それはスキルヴィングも同様だったのでそこまで心配は要らないだろう。
近親に海外GI馬がずらり
ジーティーパワー(牡)
父:Frankel母:コールバック(母父:Street Sense)厩舎:矢作芳人生産:ノーザンファーム馬主:田畑利彦
フランケル産駒の大物候補として評判の1頭。栗毛の馬体に端正な流星の顔立ちをしたグッドルッキングホースで、米GI・ラスヴァージネスS勝ちの母を持つ良血馬らしいオーラが漂う。近親には2010年のケンタッキーダービー馬・スーパーセイヴァーなど活躍馬がずらりと並び、セレクトセール当歳で2億4000万円の値が付いた。1歳時に右トモ部分の骨折が判明したが、その後は至って順調に進んでおり、一見、奥手のタイプに見える血統表とは裏腹に、早期デビューが見込めそうだ。
中内田厩舎の桜花賞連覇なるか!?
ハミング(牝)
父:ブリックスアンドモルタル母:ブリッツフィナーレ(母父:ディープインパクト)厩舎:栗東・中内田充正生産:下河辺牧場馬主:石川達絵
半兄に菊花賞を制したキセキ。また同じ中内田厩舎の半姉・ビッグリボンは現在4勝で今年の福島牝馬Sでは2着に好走している。ディープインパクト×Storm Catのニックスは有名だが、本馬はStorm Cat系のブリックスアンドモルタルに母父ディープなのでニックスをひっくり返した格好。上は比較的完成が遅かったものの、こちらはある程度仕上がりの早そうなタイプ。中内田厩舎なのできょうだいとは異なりマイラーに育つ可能性もあるが、そもそも祖母が桜花賞2着のロンドンブリッジ。リバティアイランドに続いて2年連続桜花賞制覇の夢も悪くはない。
ジオグリフの再来となるか!?
セブンマイスター(牡)
父:ドレフォン母:ハピネスダンサー(母父メイショウサムソン)厩舎:美浦・木村哲也生産:ノーザンファーム馬主:前迫義幸
大舞台で活躍する馬を探すのなら、やはり木村厩舎は外せない。2022年の皐月賞はジオグリフ&イクイノックスでワンツーフィニッシュ。毎年のように素質馬が集まるトップステーブルだ。本馬はジオグリフと同じドレフォン産駒かつ近親にクロノジェネシスとノームコアがいる良血馬。ひとつ上の半兄・セブンマジシャンもデビューから連勝し、京成杯では3着に入っている。やや重たい印象にも映る血統背景だが、木村厩舎×ノーザンファーム生産馬は終いの切れ味に秀でた馬が多いのが特徴。トレーニングでその部分は強化可能と判断した。すでにトレセンに入厩済みで、仕上がりが早い点も高ポイント。
牝馬三冠デアリングタクトと同じ配合!
インファイター(牡)
父:エピファネイア母:インヘリットデール(母父:ルーラーシップ)厩舎:栗東・高野友和生産:ノーザンファーム馬主:シルクレーシング
母は中央3勝で、半兄には朝日杯FSを制したフサイチリシャール。祖母は重賞4勝で桜花賞やエリザベス女王杯では2着に走ったフサイチエアデール。近親にはノームコア・クロノジェネシス姉妹をはじめ活躍馬が多数ひしめく名牝・ラスティックベル一族の出身だ。本馬のエピファネイア×キングカメハメハ系×サンデーサイレンス系という配合は、デアリングタクトを代表例とする走る馬の組み合わせ。また、父父、父母、母父が中距離馬に対し、母母フサイチエアデールのみマイラーという「1/4マイラー」の配合も活躍馬が多く高評価できる。育成も順調なようで、夏には入厩予定。秋デビューが目標だ。
本格派の父とスピードタイプの母の相性◎
シャドフ(牝)
父:スワーヴリチャード母:シャンブルドット(母父:Lope de Vega)厩舎:栗東・庄野靖志生産:ノーザンファーム馬主:ケイズジャパン
マル外の母は1戦未勝利で引退するも、姉のイルーシヴウェーヴは仏1000ギニー勝ち馬。姉の産駒・アドマイヤビルゴは現5勝のOP馬だ。ひとつ上の3歳姉・ベルシャンブルは未勝利を快勝しており前途洋洋。本馬は第2仔なので、さらなる良駒である可能性がある。マイラー的なスピードのある牝系なので、本格派のスワーヴリチャードとは相性が良さそう。また、母系に入るNiniskiは近年ハーツクライとの好相性が指摘される血であり、それも面白い仕掛けだ。仕上がりも早く、すでにゲート試験も合格。父を管理した庄野厩舎に入るのもアドバンテージになるのでは。
音無厩舎の最後の代表産駒に!
サンライズジパング(牡)
父:キズナ母:サイマー(母父:Zoffany)厩舎:栗東・音無秀孝生産:追分ファーム馬主:ライフハウス
祖母Serisiaはフランスの芝2000mのGIII・プシュケ賞の勝ち馬。同じくフランスで走った母は特筆する成績は残せなかったものの、その配合はなかなかユニーク。MachiavellianとExit to Nowhereを介した名牝Coup de Folieの4×3のクロスが発生しており、繁殖としてのポテンシャルが高そうなのだ。実際、初仔のグランシエロはアイビーS2着、青葉賞4着とまずまずの走りを見せている。第3仔となる本馬はさらなる前進が見込めるのではないか。また定年が近い音無師の盟友・ライフハウスの松岡オーナーが託した期待馬という点も見逃せない。サンライズ“ジパング”と名付けたからには、海外での活躍も視野に入れているはずだ。
父のキツいクロスを異系配合の母が解放
ロジルーラー(牡)
父:ルーラーシップ母:ェリール(母父:サンデーサイレンス)厩舎:美浦・稲垣幸雄生産:ノーザンファーム馬主:久米田正明
母は4勝を挙げ、忘れな草賞では3着に好走。ムスカテールとグロンディオーズの重賞ウイナー2頭をはじめ、母の産駒は大半が勝ち上がっており、仔出しのいい名繁殖だ。その母はサンデーとフランスの異系血統の配合なので、クロスのキツい種牡馬との配合が向く。本馬の父・ルーラーシップはノーザンダンサーを何本も持っており母との相性は良さそう。実際グロンディオーズを筆頭に同父のきょうだいはみな複数勝利を挙げている。ひとつ上の兄・タイセイクラージュが新馬を強い内容で勝っており、母が高齢時の出産もそこまで気にする必要はなさそうだ。仕上がりも早く、6月の東京でデビュー予定とのこと。
気づきにくいが実はビリーヴの孫娘
メティエダール(牝)
父:American Pharoah母:Fiducia(母父Medaglia d’Oro)厩舎:栗東・松永幹夫生産:North Hills Co.Limited馬主:ノースヒルズ
表記が英字なのですぐには気づきにくいが、本馬の母は短距離戦で7勝を挙げ、アイビスSDでは2着に走ったフィドゥーシア。その母は秋春スプリントGIを連覇した快速馬・ビリーヴである。米国で繁殖生活を続け、American Pharoahを付けられた本馬は第3仔となる。同じ松永幹厩舎に所属する初仔で半兄のグランアプロウソは、2歳6月の札幌芝1200mでデビュー勝ち。本馬も仕上がりは早く、夏にはデビューできる模様。ゆくゆくはダートが主戦場になるだろうが、早い時期なら兄同様に芝短距離もこなせるのではないか。
オークス路線でエースを狙え!
アンリミテッドバジェットの21(牝)
父:ドゥラメンテ母:アンリミテッドバジェット(母父:Street Sense)厩舎:美浦・蛯名正義生産:社台ファーム馬主:菅野隆志
読売ジャイアンツのエース・菅野智之投手の父親である菅野隆志氏が落札し所有すると見られる一頭。母は米国重賞3勝で、ケンタッキーオークスでは3着に好走している。兄姉4頭のうち歳の近い2頭はJRAで勝ち上がり、現在も現役続行中だ。育成段階で500キロほどある大型馬だが、素軽い造りで四肢が長く芝の中距離で切れそう。社台ファーム生産、ドゥラメンテ産駒の牝馬、関東入厩というプロフィールは二冠馬スターズオンアースと同じ。オークス向きと見た。
強烈な父母相似配合で一発長打狙い
モズイージス(牡)
父:サンダースノー母:モズカッチャン(母父:ハービンジャー)厩舎:栗東・松下武士生産:目黒牧場馬主:キャピタルシステム
母はエリザベス女王杯を制し、フローラS1着やオークス2着など、3歳春時も活躍。本馬は第2仔となる。父サンダースノーはドバイワールドCを史上初めて連覇した名馬で、引退後は日本で種牡馬供用。この2歳世代はファーストクロップとなる。デインヒルの4×4、キングマンボの4×4、ヌレイエフの4・6×6などなど、かなり強烈な父母相似配合で、どう考えても狙った組み合わせ。ここまで極端だとホームランか三振かという気もするが、母自身、きょうだいがすべて中央未勝利のなか“一発長打タイプ”だったので、大物に育つ可能性はある。育成情報等はまったく出てきていないのでロマン枠の扱いで。
ハーツの代表牝駒・
リスグラシューに続け!
ルミエールドゥース(牝)
父:ハーツクライ母:ゴールディーエスポニー(母父:Vespone)厩舎:栗東・辻野泰之生産:追分ファーム馬主:GIレーシング
母はフランスと北米で中距離の芝重賞を4勝。母の父Vesponeはリファール系で、いずれも仏GIのパリ大賞とジャンプラ賞に勝利。全兄が名門・友道厩舎に預けられたように期待の繁殖で本馬は第2仔となる。ハーツクライ牝馬で重賞を勝った馬の多くは母系にネヴァーベンドかサドラーズウェルズ経由でLalunの血を引いていたが、本馬はその条件に該当。リファール、ミルリーフ、サーゲイロード、スペシャルということで、血統的にはハーツクライの代表産駒・リスグラシューと似たところも。東京芝2400mで狙いたいタイプである。ただし育成情報が出ていないので、使い出しは早くはなさそうだ。
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